世界一短い詩

世界一短い詩

世界一短い詩

「草野心平」を知っているかな?
文化功労賞や文化勲章を受章した、名代の詩人だ。でも、彼の発表する詩は少し変わっていたことで有名だよ。

1951年に発表された「冬眠」というタイトルの詩は、本文がわずか一文字。世界一短い詩としてよく知られているね。正確には文字でもなく、黒い点がひとつあるだけなんだ。

草野が言うには、冬に蛙がうずくまっている様子を表現したんだとか。これが果たして詩と認められるのか、当時はかなり物議をかもしたんだ。草野は他にも、“る”という文字がズラリとならんだ「春殖」という作品も残しているよ。こちらも詩というよりは、絵画的な要素が強いらしいね。

JW・カレーの発表した「指紋」という詩もたった1文字だ。アルファベット“i”の上の点の部分が彼の指紋になっている作品だよ。アラム・サローヤンが発表したものも、同じくアルファベット1文字。こちらは“m“の字が4本足になった作品だよ。